離職率が下がった会社に共通する3つのこと〜チームを育てるリーダーがしている工夫〜

「また退職者が出ました……」 そんな報告を受けるたびに、頭を抱える人事担当者や教育責任者の方も多いのではないでしょうか。

・最近は特に若手社員の定着が難しい
・思いやりも配慮もしているつもりなのに辞めてしまう
・働き方改革も取り入れ、制度も整えているのに

職場の人間関係が悪いわけでもない。極端に忙しすぎる職場でもない。にもかかわらず、社員が長く定着しない。そんな中小企業は決して少なくありません。

実際、面談では「職場の人間関係は悪くないです」と言いながらも、退職の理由を問うと「なんとなく続けていくイメージが持てなかった」と話す社員も少なくありません。この“なんとなく”の違和感こそ、離職の根本原因であることが多いのです。

でも実は、離職率が低い会社には、どこも共通する“ちょっとした違い”があります。それは特別な制度や高額な福利厚生ではなく、日々のちょっとした関わり方にあるのです。

離職率とは?

離職率とは、一定期間における従業員の退職者の割合を示す指標です。 厚生労働省によると、たとえば新卒3年以内の離職率は約30%。中小企業においては、若手社員の定着に苦戦する会社が非常に多く、業種によっては1年以内に3割近くが辞めてしまうこともあります。

一般的には1年間で10〜15%程度の離職率が「平均的」とされることもありますが、業種や地域、会社規模によって差があります。特にコロナ禍以降は、リモートワークや価値観の多様化によって、「働きがい」や「人間関係」の重要性がより顕在化しています。

▶︎参照:厚生労働省資料

離職率が高いと、以下のような問題が生じます:

  • 採用・育成コストの増加
  • 現場の負担増加とモチベーション低下
  • 顧客対応の質のばらつき
  • 「辞めやすい職場」というネガティブな印象

また、残った社員の中にも「また誰か辞めるかもしれない」という不安が蓄積され、チーム全体の連携や挑戦意欲にも悪影響を与えることがあります。

離職率が高くなる理由

離職率が高くなる背景には、さまざまな要因がありますが、現場でよく見られるものを3つ挙げます。

1.コミュニケーション不足が生む孤立

【評価の仕方が不透明】
特に入社1〜2年目の若手社員にとって、「何でも相談できる上司がいるかどうか」はとても重要です。話しかけづらい、聞きづらい、という雰囲気があるだけで、日々の小さな不満が蓄積されていきます。

加えて、「忙しそうだから声をかけられない」という心理も大きな壁になります。上司が少しでも余裕のない表情をしていると、部下は“我慢する”ことを選び、それが離職への第一歩となってしまうのです。

2.評価が不明確でやる気が続かない

【評価の仕方が不透明】
頑張っても報われない、何をすれば評価されるのか分からないという状態は、やる気を失わせる大きな要因です。人は「自分の存在が認められている」と実感できるとき、もっとも力を発揮します。

評価制度があるだけでは不十分で、「なぜそう評価されたのか」を伝えること、また定期的なフィードバックがあることで、社員の納得度や安心感は大きく変わります。

3. 自己成長の実感がないまま働き続ける

【成長の実感が持てない】
単調な仕事の繰り返しや、目標が曖昧なまま日々の業務をこなしていると、将来に希望が持てなくなります。特に今の若手は「自分らしく働きたい」「やりがいを感じたい」という気持ちが強いため、自己成長を実感できない環境では離職に繋がりやすくなります。

小さな成功体験を積み重ねられるようにタスクを工夫したり、上司が「あなたのこういうところが成長しているよ」と言葉で伝えることで、本人の自信とやりがいが育ちます。

 離職率が低い会社がしている3つのこと

では、離職率が低い会社では、どんな工夫をしているのでしょうか? 代表的な3つの取り組みをご紹介します。

信頼関係は“雑談”から生まれる

【雑談ができる関係性を育てている】
「話しかけやすい空気」を意識的につくっている会社では、若手社員の不満や不安が表に出やすく、早期にフォローが可能になります。1on1の場面でも、形式的な面談ではなく“雑談に近い関わり”を大切にしている管理職が多く見られます。

たとえば、月1回の1on1の場を設ける企業でも、「最近元気?」「仕事以外で最近楽しかったことは?」というような“仕事以外の話題”からスタートすることで、緊張感のない対話の土台をつくっています。雑談は業務外に思えるかもしれませんが、信頼構築の大切な手段です。

2.主体性を引き出す問いかけ

【「教える」より「引き出す」関わり】
部下の成長を支えるには、正解を教えるだけでなく、自分で考えさせる関わりが欠かせません。「どう思う?」「あなたならどうする?」と問いかけることで、相手の主体性を育て、仕事への自信とやりがいを引き出しています。

また、業務の振り返り時に「今回のことで学べたことは何だったと思う?」といった質問を投げかけることで、反省だけではない“学びの視点”を本人の中に育てることができます。これにより、経験を次に活かせる前向きな姿勢が身についていきます。

3. 不満は“離職の芽”として丁寧に扱う

【小さな不満を受け止めている】
「そんなことくらいで?」と思うような小さな不満や違和感を丁寧に聞き取る姿勢が、結果として大きなトラブルの芽を摘みます。離職に至るまでには、必ず“前兆”があります。その小さなサインを見逃さないためには、日頃からの信頼関係が必要です。

実際、「もっと早く話してくれたらよかったのに」と感じるような話が、退職の面談で初めて出てくることもあります。これは、“話しても意味がない”と思われていたサイン。だからこそ、「そんなことを言ってくれてありがとう」と言える上司の存在が、組織を強くするのです。

まとめ

辞めない職場をつくるのに、特別な制度は必要ありません。大切なのは、日々の「ちょっとした対応」の積み重ねです。

  • 話しかけやすい空気をつくる
  • 成長を引き出す関わり方を意識する
  • 小さな不満を見逃さない

特に中小企業では、現場での人間関係が働きがいを左右することが多いため、制度や給与ではなく“人”に注目する組織づくりが求められます。

リーダーの姿勢が、チームの雰囲気を変え、定着率を変え、最終的には業績に繋がる。そんな組織づくりに向けて、できることから始めていきましょう。


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